ビジネスマナー研修 大全

電話の取り次ぎノウハウ

上手な取り次ぎ

 

電話のマナーで最も難しいとされるのは、取り次き方です。
会社は複数の人が働く組織ですから、いろいろな人あてに電話がかかってきます。

 

それだけではなく、取り次ぎ相手が会議中や接客中、外出中など、
その応対に悩むこともいろいろ出てくるでしょう。
いろいろなケースに遭遇して、苦手意識から早く解放されてましょう。

 

 

相手の社名と名前を確認する

 

「課長、お電話です」
「だれから?」
「えっと? それが…」

 

これでは、「子供のお使い」と言われてしまいます。
電話がかかってきたらまず先方の社名、部署、名前をきちんと確認します。

 

聞き取りづらかった場合は、「お電話が遠いようで、恐れ入りますが、
もう、一度お願いいたします」と訊ね返しましょう。

 

 

待たせても30秒以内

 

取り次ぐときは、電話機をすぐさま保留状態にします。
よく手でふさぐ人を見かけますが、「課長、どこに行ったか知らない?」などの声が
筒抜けになることは結構多いもの。

 

また保留状態なら、受話器を間違って落としても安心です。

 

さて保留は30秒以内が原則。
「コール3回、保留30秒」と一緒に覚えてしまいましょう。

 

 

取り次ぎ相手が離席の場合

 

本人がすく電話に出られないときの応対が一番の問題になります。
それぞれの状況を確認し、臨機応変に対応しましょう。

 

いずれにしても「お待たせして申し訳ありません」というお詫ひと、
「折り返しこちらからお電話させていただきます」と断るのが基本になります。

 

 

【取り次ぎの基本ルール】

 

◆だれからだれへの電話かを明確にする
・なかには社名だけ名乗って自分の名前を言わない相手もいる。
 こんな場合は「わたくし、○○と申しますが、失礼ですがお名前をお聞かせ願えませんか」と
 訊ね返す。ポイントは、必ず自分の名前を先に告げ、そのうえで訊ねること

 

◆取り次ぐときは必ず保留ボタンを押す
・受話器を手でふさいでも音漏れする可能性があるので、どんなに短い時間でも
 必ず保留ボタンを押す。
・30秒以上待たせたときは、「お待たせしております。もう少々時間がかかりそうなのですが、
 このままお待ちいただくか、それともこちらから折り返しお電話させていただきます。
 いかがいたしましょうがか?」と伺いを立てる。ポイントは相手に選択権を与えること。

 

◆本人が別の電話に出ているとき
・「あいにく別の電話に出ておりまして、終わりしだいこちらからご連絡させていただきます」

 

◆本人がトイレに行っている時
・「あいにく席をはずしておりますが、間もなく戻ると思います。戻りましたらこちらから
 こ連絡させていただきますが…」

 

◆接客中・会議中のとき
・「あいにく会議中(接客中)で時間がかかりそうです。お急ぎでなければ、
 終わりしだいこちらからご連絡させていただきたいのですが…」

 

 

重要度と緊急度に応じて判断

 

上司が大事なお客様と接客中だったり、重要な会議で席をはずしている場合、
電話の取り次きは原則として控えます。

 

ですが、ときとして大事な得意先からの電話や、家族からの緊急の電話が入ってくることもあるでしょう。
こんなときこそ、あなたの機転がものをいいます。

 

  1. メモに電話の相手とその用件を大きめに書く
  2. メモを持って、上司のところへ急いでかけつける
  3. お客様や会議に配慮しながら、上司にメモを手渡す

 

あとは上司の判断にゆだね、その指示に従いましょう。

 

 

不在者の対応方法

 

不在者に対する相手の要望は、通常、次の3パターンに分かれます。

 

  1. もう一度電話する
  2. 戻ってきたら電話がほしい
  3. 伝言を伝えてほしい

 

1.の場合、「さようでございますか」で終わらせず、「お電話のあった旨だけお伝えしておきます」と
申し添えたほうがていねいです。

 

いずれの場合も、最後に自分の名前を名乗るのがマナーです。
責任の所在がはっきりし、相手も安心するからです。

 

また、不用意に不在者の行き先を告げてはいけません。
相手のライバル会社に行っている場合もなきにしもあらずです。
本人の許可なく携帯電話の番号を教えることもタブーです。

 

その他、出先の上司から電話が入った場合には、メモの連絡を伝えるばかりでなく、
周囲の人にも何か上司に用がないかひと声かけるようにしましょう。

 

 

上司の家族から受けた場合

 

上司の家族に対しても、上司同様、ていねいに応対するのが礼儀です。
呼び捨てにせず、役職名をきちんとつけます。

 

「いつも大変お世話になっております。申し訳ございませんが、部長はただ今…」と
状況を説明し、用件を聞いたら、「かしこまりました。わたくし、○○と申します。
間違いなく部長に申し伝えます。ごめんください」と電話を切ります。

 

 

【取り次ぎの基本ルール:不在者の対応方法】

 

出先からなので、もう一度電話すると言われたとき

 →「かしこまりました。では、お電話のあった旨だけお伝えしておきます。
   わたくし、○○が承りました。失礼いたします」

 

帰社したら電話をほしい、と言われたとき

 →「お言づけ、確かに承りました。ところで本人はそちら様のこ連絡先はわかっているでしょうか」
 ※わかっていない場合は、電話番号を聞いてメモに残し、
  「かしこまりました。わたくし、○○と申します。確かに申し伝えます」と言い添える

 

伝言を伝えてほしいと言われたとき

 →メモを用意し、「はい、ご伝言を承ります」「明日の打ち合わせの予定時間を午前11時に
  変更させてほしいということですね」と、メモを見ながら再度、復唱し、最後に
  「かしこまりました。わたくし、○○と申します。確かに申し伝えます」と言い添える

 

その他

●出張中の場合
 →「あいにく出張中でして、○日には戻る予定になっております」
●休暇中の場合
 → 「あいにく本日○○はお休みをいただいております。明日からは通常の出社に
   なっておりますが…」
 ※出張がいつ終わるか、休暇はいつまでかという情報を必ず加える

 

 

間違い電話を1回ですますコツ

 

忙しい最中にかかってくる間違い電話にあまりいい気持ちはしません。
でも今、あなたは会社の代表。くれぐれもこのことを忘れずに、ていねいな応対を心がけましょう。
たとえばこんなふうに…。
「お間違えのようです。こちらは○○社で、電話番号は…」
と言ってあげます。すると、「あれ、番号は合ってるんだけどなぁ。いや、どうもすみません」
となるはずです。電話番号まで言うのは、また同じ人から間違い電話が入ることも多いからです。
互いに上手な時間の節約を。

リンク集