ビジネスマナー研修 大全

会議に参加する心がまえ

会議の種類

 

会議には必ず目的というものがあります。
大別すると「情報伝達」を目的とするものと、「問題解決」を目的とするものの2種類に分けられます。

 

あなたがこれまでに経験した「会社説明会」や「新人研修」は前者の情報を伝えるための会議でした。
一方、後者は出席者がアイデアを出し合い、何らかの問題を解決するために行われるものです。

 

ここでは、この後者の会議に焦点を絞って解説していきます。

 

 

会議の準備をまかされたら

 

打ち合わせやミーティングと呼ばれる会議の多くは、同じ部署で行われる小規模なもので、
それほど大がかりな準備の必要のないケースがほとんどでしょう。

 

ここでは、部署を横断する比較的大きな、本格的な会議を想定してみることにします。
あなたは主催者の指示に従い、まず会議室を確保しなければなりません。

 

空き具合に応じて、候補の日時をいくつか挙げ、関係部署とのスケジュール調整をします。
日時、場所が決まったら、正式に会議通知を作成し、参加予定者に配布。出欠も取ります。

 

当日までに、会議に必要な資料がある場合には、その準備をし、
当日には以下の会議室のセッティングに入ります。

 

  • 会議室の清掃状態をチェック
  • ボード、ボード拭き、マーカーの確認
  • OHPを使用する場合には、照明の具合やカーテンを調整して試写を行う
  • 参加人数のテーブルと椅子の用意(少し多めがよい)
  • お茶、灰皿の有無を主催者に確認し、必要なら準備
  • 配布資料をテーブルの上に並べる

 

このように、事前準備は細かいことがいろいろとあります。

 

手落ちがないよう周到に準備しましょう。
また、会議には席次のマナーがあることも覚えておきましょう。

 

【会議での席次】

机の配置が違っても、出入り口から遠いところが上座、近くなるほど下座になる。
議長を中心に、役職の高い順に奥のほうから着席

 

コの字型

 

対面型

 

円卓型

 

 

時間の無駄を防ぐため、会議は時間厳守です。
開始5分前には、筆記用具を用意して着席しているようにしましょう。

 

また、事前に配布された資料がある場合には、じっくり目を通し、
会議の目的やテーマを把握したうえで、問題意識を持って臨みましょう。
ただの傍観者になってはいけません。

 

そのためにも事前に、テーマについて自分なりの考えをまとめたり、
補足資料なども用意しておきたいものです。
以上で準備完了です。会議の中身に入っていきましょう。

 

 

会議の流れとルールを知ろう

 

会議は司会者である議長の進行に従います。
その間、あくびをしたり、ほおづえをつくなどの態度は禁物。
私語も慎み、人の話や発言をしっかりと聞きましょう。

 

また、会議中に席を立つのも場の緊張感を崩しますから控えましょう。
やむをえず退席するときは、発言が一段落したところで議長に断りを入れてから
席を立つのがマナーです。

 

人の意見を聞くときは、そのポイントをメモし、論点を明確に押さえていきましょう。
発言を求められたときは、論点に対するYES・NOをはっきり言えることが大事です。
どっちつかずのあいまいさは意味をなしません。

 

また、自分から意見や質問がある場合は、「ちょっとよろしいでしょうか」と議長に断るなり、
挙手をするなりし、指名されてから述べるのがルールです。

 

発言は結論から先に述べ、そのあとでその理由・根拠を簡潔に補足するようにしましょう。
また、「述べたいことが3点あります」というように、最初に断っておくと、参加者もそのつもりで
聞くことができます。

 

それから、新人のうちはあまりないでしょうが、人の発言中に割って入るのはマナー違反です。
同様に、討議がヒートしてつい感情的になってしまうのは大人げないもの。
反論する場合も、冷静さを失わないように。

 

 

会議の進行スタイル

1.趣旨説明
主催者から本日の討議したいテーマについて簡単な説明がなされる

 

2.討議
資料やデータなどをもとに背景事情が説明され、抽出されたテーマについて分析・検討しながら、
改善策を討議する

 

3.まとめ
決定事項と未決事項の整理と確認をし、継続審議が必要な場合は次回の会議予定を決める

 

4.議事録作成
書記担当者は会議内容をまとめた議事録を作成し、後日、確認の意味で参加者および欠席者に
配布する

 

 

会議は新人にとっていい勉強

 

会議を通じ、業界内で自社の置かれた状況、あるいは自社の雰囲気・社風といったものが
つかめてくるはずです。

 

もうひとつ、会社はあなたのフレッシュな感覚やアイデアに期待しているものです。
業界内の暗黙の常識を知らないからと恐れる必要はありません。
意見を求められたら、自分なりの考えをしっかり述べるべきです。

 

 

【発言するときのマナー】

  • 挙手をし、指名を受けてから発言する
  • 話すときは、語尾まではっきり話す(もやもや話さない)
  • 意見は結論から述べ、その後に理由・根拠を簡潔に添える
  • テーマがら逸脱した意見を述べない(議論が空転する)
  • 反論されても、感情的になってはいけない
  • その他のマナー

      ・人の話をさえぎってはいけない
      ・他人の意見の揚げ足とりや、特定の個人に向けた攻撃はタブー

 

 

会議は踊り、結論は宙に舞う

 

会議の雰囲気を見ると、その会社の社風なり、活力の度合いがわかってくるものです。
水を打ったような静けさに包まれたままの会議風景はあきらかに活力がない証拠。

 

逆に喧々囂々、盛んな議論がなされていても、終わってみると、
何ひとつ有益な対策が出ていなかったというケースも。
会議がただのゲームに終わったわけです。

 

こうしたケースでは、議長はもとより参加者全員に、何かをまとめるといった意識があまりに
希薄だったのではないかと考えざるをえません。

リンク集